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2015年 10月 01日
最近買った漫画をツイッターでつぶやいてみようとふと思い立ってつぶやいた。
それでこのツイート、とても失礼な誤りをしていた。

このブログに感想を投稿しよう、とその前に、
ネット上である程度情報収集を、とツイートの反応も辿らなくてはと。
すると、著者によるリツイートとともにこのようなツイート。
お名前を間違えました。
申し開きのしようもありません。失礼しました。



この漫画はWebコミックのCOMICリュエルに掲載。全6話。
紙の書籍や電子書籍でも刊行されていて、
現在(2015年10月)でも第1話はウェブ上で読める

続くのかと思ったら『アベニールの配達人 完』と単行本の最終回の最後に記載があった。
残念だけれども、
おいしいお菓子は、ほどほどに味わってやめておくのがいいのかもしれない。

さて、このお話は1800年ごろのパリで、
アベニールという名前の菓子店を舞台にしている。
題名に配達人とある通り、表紙に出ているのがそのお菓子の配達人、ルカ。
人情あふれるコメディで、気負い立つことなく楽しめる漫画。

ところで、この漫画の第一の印象は読みやすいということ。
それは、思いの丈を言葉にしすぎない、
でも、それらが源泉となる言動が描かれているということ。

第1話で示すとすると例えば、
5歳の少女カリーヌがドラジェ(菓子)にときめいたり、走り出したり、泣き出したり、
空腹で倒れベッドにいるカリーヌに「腹へってる時ほど お菓子は特に美味いもんだよなぁ!」(25ページ)
と嬉しそうにお菓子をすすめてしまうルカの姿形などに端的に表れていると感じる。

それに加え(読み手に見せる)視点の高さや角度、
顔だけを大写しにするか、逆に遠くから眺めるように見せるかといった寄ったり引いたりの具合、
そうして並べられたコマが情景になっているということ。

言葉にしなければ判然としない事柄は当然存在する。
しかし必要以上に語りすぎて、
作り手の伝えたいことを逐一代弁させているかのような、
そんな息苦しさを感じてしまうことがある。
しかし、この漫画からはそういうものを感じない。

読みやすいとツイートしたのはこういうことである。



この物語の登場人物たちは生き生きとしている。
特に、アベニールの店の人たちは優しくて生き生きとしている。

毎回、お菓子が登場するけれども、その解説は1ページ程度で簡潔。
また、第1話を数ページ読めば、配達人のルカの自由闊達さが見て取れる。

ルカは飛び跳ねていて、ベルナールはその逆に沈着だけれども影があり、
カリーヌは可愛らしく、店主のジョルジュは甘いお菓子に似合わないやや堅物な風格。
そんな人たちが揃うアベニールという菓子店。
それから、店の中だけではなく、
街のあちこちを舞台に、困りごとを目にしては解決していく。

大人の視点の中に混ざって、子供であるカリーヌの視点があることで、
ごく自然と、何気ない風景の中にも変化が出ていて面白い。

第3話。お菓子作りの手柄を先輩のシスターに奪われているシスター。
ルカたちに身の上を語る85ページ左上と、92ページの対決を挑むかのようなコマ。
寂しさのある同じような背景ながらもこの対比は印象的。
その間にある、90ページのすました顔。ちょっとしたどんでん返し。いいものである。



そういえば初めて表紙を見た時には、アニメのようだという印象を受けた。

色の塗り方や影のつけ方もあるけれども、
ひとつの動作が始まり終わる、
そのどこか中間で静止させた姿によるところも大きいのではないか。

漫画の中身を把握して改めてこの表紙を見ていると、
映像表現と呼応するような漫画の画面作りをしているのかもしれない、
そんなことを感じている。

ともあれ、明るかったり、影があったり、可愛かったり、いかつい感じだったり、
様々な人たちがちゃんとひしめき合っている姿というのは見ていて楽しい。


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2015年 08月 18日
NHKのみんなのうた

その公式サイトにある、
次の10・11月の新曲の案内を見ていたら、
うた:近日決定となっているうたが一つ。(8/17現在)

……というグループ名かもしれない、
と思ってしまうくらい懐の深いそんなみんなのうた。

今回の新曲は4曲。



◇プレゼント

第82回NHK全国音楽コンクール
その中学校の部の課題曲になっているうた。

課題曲ということもあり、全曲の歌詞がそこには掲載されている。
このみんなのうたでは本来の半分くらいの長さに、
構成も大きく変わっていると分かる。

印象がだいぶ変わるのだけれども、いいのかなとは思ったり。
知ってもらうのが目的ならば問題はないのか。

そんなことより、
さまざま年恰好で出てくる人形に対して、
なぜアキラさんなのだろうと不思議に思ってしまったが、違うね、たぶん。



◇へっちゃら平気の平八郎

公式サイトの解説によると、強がりの気持ちを表したうたであるという。
確かに、うただけ聞いていればそんな素朴さを感じる。

でも、アニメーションで表しているものに対しては、
この世界で何が起きているのだろうと思うしかなかった。
このアニメーション自体はおもしろいのだけれども。

この映像とうたとどういう具合にかみ合うというのか、
おそらく、何度も見返してみないと分からないだろう。
繰り返し放送されるのだから、ちょうどいいのか。



◇怪獣トットト

お母さんが子供に早くしなさいと叱りつけている光景は、
ありふれているものでありましょう。

実に、慌しいうたである。
アニメーションが強烈で、常に何か揺れ動いていたり、
流れ流されるその中で、子は急かされ、母は急かし、
まるで嵐の中であるかのよう。
とはいっても、何ともひょうきんなうた。



◇とりあえず、タマで。

とりあえず、タマと猫に名前を付けてしまったうた。
仮で付けたつもりが、そのまま落ち着いてしまったというところだと見て取れる。

ところで、このブログのタイトル、
思いつかないからとりあえずこれ、と名付けてしまったのをそのまま放置してしまっているので、
この飼い主の名付けに対する態度をどうこう言う資格はない。

さて、このフェルトでできているように見える猫、タマ。
じっと佇んでいたり動いたりとなかなかかわいい。
実物があったら、欲しくなるだろうなと思ったり。


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2015年 08月 02日
2015年に劇場公開のアニメーション映画。
原作・監督・脚本は細田守。

人間の主役、九太。
人間としての名前はあるものの、バケモノの世界に迷い込み、
名を名乗らなかったら9歳だからという理由でそんな名前で呼ばれることになる。

バケモノの主役、熊徹。
そのバケモノの世界では頂点に立てるくらいの戦闘能力があるものの、
非常に粗暴な性格。

異世界でバケモノに弟子入りする9歳の生意気な少年と、
その少年を弟子にさせようとしつつも、非常に粗野に接する熊徹。
どうしてこの一人と一匹が繋がっていたのだろうと、
観終わった後でも不思議に思うくらいにやたら、いがみ合う。



さて、この映画、
そんな一人と一匹が、かみ合わないながらもかみ合う場面まで、
どうも、居心地の悪さを感じていた。

それというのも、バケモノの世界のことも、渋谷の街で九太がさまよう理由も、
設定をただ配置しているかのように感じられたからである。
(ただし一通り映画を観終わってからは、数々の設定に合点がいくのではあるが)

ただし、一人と一匹のドラマが動き出すと、
視点がそちらに持っていかれるので、その点はあまり気にならなくなる。

一人と一匹、そこにはさらにバケモノが2人寄り添っているという形。
孤立する核家族ではなく、異世界ながらも、近所が近い下町であるかのような場所。

その雰囲気もさることながら、
師匠と弟子という一方的な関係ではない姿が描かれている。
目上のものが絶対的ではない現代らしさを感じる。

しかも、その一方的でない関係と、
特に、九太が成長する姿については、特に掘り下げてあるシーケンスがあり、
この一人と一匹の繋がりと、お互いの移りゆく様について説得力が増している。
時の経過と成長を、回想シーンのように簡単に飛躍させていないのである。

ところで、この主役のコンビはキャラクターが確立している。
お互いに目的もあるものの、このバケモノのいる異世界からどこに向かうのかと、
中盤あたりで気になってくる。

すると、
17歳になった九太は現実の世界へと、ひょんなことから渋谷へ足を踏み入れる。
そして、バケモノの世界と渋谷を行き来するようになる。

一人と一匹のお話が主題かと思っていたところで、
それが少し変化するのを感じた。
バランスとしては、人間の九太の方へ傾いた。
最後にかけて、その傾向は続くのである。

それからさらに、心の闇が出てきたり、
渋谷で大立ち回りになったりと、なかなか派手な展開もある。



この映画は、山場であるエピソードがどれも同じくらいの熱量を持っていて、
観終わった後では、どれも良かったけれども、どれが山場だったのだろうと、
なんとも不思議な気分になる。
もちろん、主役の一人と一匹の来し方行く末がテーマというのは分かるのだが。

夏休みのファミリー向けアニメーション映画らしい見え方もあるのだが、
心の闇だとか、攻撃的なアクションがあったりと、
いわゆる日本のアニメを嗜む人間でもそれなりに楽しめたりする映画だろう。

でも、上映時間119分、やや長さを感じた。
それぞれのシークエンスでひととおり満足感があるためなのか、
まだ続きがあるのかと、最終の着地点はどこなのかとずっと気になっていた。

ともあれ、映画としてはすっきりしない部分も感じたものの、これだけの要素を詰め込みつつも、
まとまりのあるエンタテイメント作品になっているのには感心した。


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# by excdaite | 2015-08-02 00:06 | 映画
2015年 07月 07日
NHKのみんなのうた

感想をここに書いておくのを忘れていた。
それで今回はまとめて4か月分。

そういえば、再放送の枠で「クロ」が流れているのがちょっと嬉しかったり。



2015年4・5月の新曲は4曲。


◇かいじん百面相

振付:ラッキィ池田という名前を久々に目にしたような気がする。

さて、その怪人がマスクを着け洋装で出てきたと思ったら、
いきなり、日本のお祭りを背景にはっぴ姿になったり、
その前に、人形だったり人間になったりと、非常に自由奔放。
踊りも画面の彩りもそうだけれども、みんなそんな人間だというそんなうた。


◇つもりヤモリ

~した/している/の「つもり」のつもりを食べてくれるヤモリのうた。
そもそも「つもり」すら食ってしまったら何も残らないのではないか、
その前に、歌の人の声に特徴がありすぎて、違う映像が浮かんだりはしないかと、
そんな、よこしまな考えはさておき、教育テレビらしい歌であります。

みんなのうた公式サイトの解説によると、
元気にしたいという願いが込められているそうなので、深く考えずやる気を出せばいいね。


◇OK食堂

これでもかと突っ込まれるだじゃれ、間奏のモノローグ、
そして画面ではゴリラがOK食堂、この歌の人。
地味だが実に奥深い第2チャンネルらしいテイストあふれるうた。
うたを味わったら公式サイトの解説をご覧あれ。
こんな深い意味があったのかと、メルヘンソングだったのかと。


◇恋なんです

チャイムに合わせて動くキャラクターがいいなと、そんな第一印象のうた。
子供向けというよりは、大人が懐かしむうたかもしれない。
アニメーションは、女の子の方が男の子よりも少しだけ背が高い。
そんなお年頃を懐かしむにはもってこい。



2015年6・7月の新曲も4曲。


▽ウェイクアップ!パパ!

この時期は父の日もあるから、
お父さんを主題にしたうたが登場したんだろうなと毎年思うそんなうた。
この線画で描かれる画面が絵日記風で、
一緒にどこか行きたいなという素朴な願望と相まって、ほのぼのとしていいなと思ったり。


▽こころ

写真提供:JCVとは、何だろうと思っていたら、
NPO法人の世界の子どもにワクチンを日本委員会のことだった。
みんなのうたではなくて、ACジャパンの広告にしたほうがいいんじゃないかと思ったり。


▽ひげヒゲげひポンポン

ヒゲが伸びれば空も飛べるはず、そんな気にさせられるかもしれない、そんなうた。
出だしでいきなりヒゲの群れが飛行しているし、
サビの部分はスキャット風で、ヒゲに浮かれているかのような風景。
歌声とあわせて視聴してみれば、お子様向けのようで、
社会に疲れた大人を癒す目的が隠れているのではないかと、そんな気もする。


▽たこちう。
アクセントは「た」の部分にある(タイトルコールのナレーションでは)うた。
確かに、たこでたとえられる表現には、悪い意味が含まれるものが多いかなとは思い当たる。
でも、8本の足を生かすくらいしかないのか、タコ。


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2015年 05月 06日
月刊ヤングキング、タイトル変更後の月刊ヤングキングアワーズGHに、
2013~15年にかけて掲載の漫画。全2巻。

主役は犬である。人の言葉を話しエロ漫画家を目指す、
どうやってペンを手にして漫画を描いているのかなど様々な点で常識外れだが、
漫画を描く犬が主役である。
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ギャグなのコメディなのか、おふざけなのか大真面目なまんが道なのか。
内容としてはそのどれをも内包しているが、本筋は漫画を創作する者の物語である。

この主役の犬、村山ジョンは第1話では漫画の専門学校に通っている。
授業の終わり、講師が生徒にどんな雑誌に載りたいか尋ねたところ、
生徒たちがメジャーな漫画誌のタイトルを次々にあげる。
ところがジョンの答えは「快楽天です!!」(成人向けのエロ漫画誌)

さらに、ジョンはすでに投稿作での受賞経験がある。そのうえ、その態度。
余裕をかましていると感じ、怒り心頭に発するある生徒。

ある時、ジョンはその生徒にロッカーへと押さえつけられ首を絞められる。
ジョンは「エロ漫画、一般漫画、同人誌をそんな風に分けてしか考えられないなら、
キミは漫画家は目指すのはやめた方がいい…」と語る。

「そんな風」とは、エロ漫画や同人誌は、一般の漫画より価値が下ということである。



ここで、永山薫・著、増補エロマンガ・スタディーズ -「快楽装置」としての漫画入門(ちくま文庫)の
前書きで登場する「エロの壁」という言葉を引き合いに出したい。

なお、この本は男性向けエロ漫画の概要を知ることができるのはもちろん、
エロの要素がいかに一般の漫画にも広がっているかを否応にも知ることができる優れものである。
748本目 漫犬~エロ漫の星~/金平守人_f0224869_22364398.jpg
この著者によると、エロ漫画というジャンルには無数のジャンルと無数の絵柄が存在しているという。
しかし、そんな多彩な様相を呈しているにもかかわらず、
これまで漫画研究者や評論家にあまり顧みられなかったのは、
「エロの壁」という見えない境界線が存在しているからではないかという。

「エロの壁」とは、「エロティシズムを含む表現は、/三流の表現である/汚い/語るべきものではない/語るに値しない/触れたくない/評価したくない/許せない/ヒドイ/子供に見せられない/恥ずかしい/人間性を冒涜している」などのネガティブな反応を核とするバリアである。(5ページより)

「エロの壁」の前では、禁忌を犯さないよう判断を停止し、目を背けるないしは素振りをする。
また、厄介なことに、エロ漫画の側に立つ人間にもこの壁は存在するとも述べられている。

つまり、
ジョンはエロの壁こそ漫画を矮小せしめるものであると宣言しているも同然であり、
さらに、そんな壁などすでに物ともせずにいるのである。



さて、主役が犬なのも奇妙なものだが、脇役も一風変わっている。
何しろ現実に存在する、エロ漫画雑誌の読者コーナーへのイラスト投稿職人、三峯徹。
表紙でマントを羽織る男である。どこかの宇宙海賊の人に似ているような気もするが気のせいだろう。

そんなパロディや悪ふざけの数々をさりげなく投入しているのがこの著者の持ち味である。
2巻で架空のエロ漫画家の名前が出てくるが、いやあひどい。
しかし、漫画を面白く見せるのはそれだけではない。

まず見た目では映画で言うところのショット、その撮影方法の種類が豊富なのである。
漫画だから、視点の位置や角度、対象物との距離などが豊富と言うべきなのかもしれないが。

それらはもちろん、単なる刺激としてではなく、
言葉や絵だけでは語り切れない部分を補うという効果を存分に発揮している。
犬の目線と人間の目線、その高さや物を見るときの角度の違い、
また、見上げる見下ろす、引きにクローズアップ、歪みなど。

それらは奇をてらうのではなく、退屈にもならず変化をする。
見えるものが増えればそれだけ描かれるものも増えるが、背景にも抜かりはない。
そういった場面に合ったショットのあるコマ運びは、
その雰囲気を一瞬で感じられるため読みやすい。

たとえ、人間みたいに振る舞う犬がエロ漫画と真剣に向かい合うお話だとしても。

さて、この漫画の主役犬である村山ジョン。
擬人化された犬ではなく、本当に獣の犬である。四つ足で歩く毛並みのいい犬なのである。
ジョンの表情はおおよそ凛々しく描かれている。人間以上にである。
ではあるのだが、人間同様表情は豊かである。

犬じゃないかという違和感が先に来そうなのだが、そうではない不思議。

しかも、村山ジョンは天性の才能があって絵は上手く、既に持てるものを持っている。
サクセスストーリーならば、ある程度完成してしまっているともいえる。
でも、そうではないのである。

なにせ犬である。住むところがない。野良犬状態である。
でも、それは大した問題ではなさそうで、
それよりも、原稿を破られたり、初掲載の原稿を持っていく途中で事故にあったり、
上手いと思っていた原稿を何だかピンとこないと言われたり、
描きたいものがようやく見つかったと思ったら表現の自由に引っかかったり、
第4話で残された時間はないというジョンのつぶやきが現実のものとなったりと波乱万丈である。

しかし、ジョンのそばには誰かがいる。
投稿神だったり原稿破りの女編集者だったり幽霊だったりするが、
エロ漫の星を目指すジョンには心強い仲間がいる。

このお話は、何もないところから努力してそれが実を結ぶのではなく、
才能あるものが、努力したからといって必ずしもどうにかなるものではない運をつかむお話である。
それでも、誰かと関わりあって結果があるという爽快感は変わらない。

犬がエロ漫画家を目指したり、突拍子もないことが現れたり実現したりはするが、
それらは夢物語のままではなく、それなりのたたまれ方をしている。

漫画の見た目といい、お話の構成といい、著者の作品づくりへの真摯さを感じる。
コミックビームに載っていた巻末漫画やこの○○がエロい!!を知っているなら、
そんなことはないと考えるかもしれないが、少なくとも漫画の作りは大真面目である。



748本目 漫犬~エロ漫の星~/金平守人_f0224869_22201909.jpg
ところで、帯が付くとこの漫画はこんな具合になる。
1巻はともかく、2巻はまるで著者本人が有害指定であるかのよう。
デザイン上、仕方がなかったのかもしれないが不憫である。

2巻の第11話では見開きのノド(紙が綴じられているページとページの境目の部分)で、
登場人物が1人、見事にぶった切られている。そして、
その2巻の巻末にある「エロ漫の星」の紹介ページでも、同じように著者がぶった切られている。
ここまでくると、不憫なのかわざとなのか分からない。


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